移住先として山梨県を選ぶところまでは行きました。
さて、そこから具体的な住む場所を探すにあたって、東京の感覚で初めて地方都市に引っ越すとなると、
ギャップがあるなあと感じたことがいくつかあります。
昨日やっと引っ越し先を決めてきたのですが、その過程で感じた特に印象的な5つをご紹介します。
都内在住者が山梨で物件を探してみてわかったこと5つ
- 賃貸物件数が圧倒的に少ない
- 基本クルマ社会(車なしなら甲府駅一択)
- 駅近と賃料が比例しない
- ペット可物件が圧倒的に少ない
- 基本的にプロパンガス
一つずつみていきましょう。
山梨の物件探しでわかったこと(1) 賃貸物件数が圧倒的に少ない
田舎は持ち家率が高く、賃貸物件が出回らない(人づてだと貸してくれたりする)という話は聞いていましたが、
山梨もやはり、賃貸少なかったです…。
逆にポジティブに捉えるなら、絞り込む労力を少なく、
あまり迷わずに決められたのは楽だったといえます。
肌感としては「物件数、少な…!」って感じですが、
実際のところはどうなんだろう?と思い、
試しに地方物件を探しているとよく出てくる「スマイティ」というサイトで、
何にも条件を絞らずに「賃貸>都道府県」で絞ってみました。
(地域は個人的に少しでも移住候補として考えたことがあるところをピックアップし、
比較対象で首都圏を最後に載せてみました)
都道府県 | 掲載件数 |
山梨県 | 10,364件 |
静岡県 | 136,926件 |
福岡県 | 226,662件 |
鹿児島県 | 42,684件 |
長野県 | 34,675件 |
群馬県 | 33,374件 |
北海道 | 261,023件 |
高知県 | 13,060件 |
青森県 | 9,395件 |
富山県 | 25,822件 |
東京都 | 1,027,658件 |
埼玉県 | 169,308件 |
千葉県 | 151,327件 |
神奈川県 | 317,161件 |
こうして比べてみると、さすがに青森よりは多いものの、圧倒的に少ないですね…
東京からも近いし、もう少しあるものだと思っていました。
物件数が少ないということは、移住先探しの選択肢が少ないということです。
「こんな暮らしがしたい」という憧れを叶える物件に出逢える確率が少なくなるということです。
そもそも存在している物件が少ないので、
「もう少し家賃を出せばいいのが見つかるだろう」という考えも通用しません。
家に対するこだわりが強い人は妥協点を見つける覚悟をしておいたほうがいいです。
ちなみに、山梨の中でもほとんど圧倒的に物件が集中しているのが甲府市でした。
山梨の物件探しでわかったこと(2) 基本クルマ社会(車なしなら甲府駅一択)
「地方に住むなら二段階移住」を経験者から学んでいたので、
「最初は中心街に住み、土地勘をつけて田舎へ」を基本方針としていました。
そして、同時に独立もするので「なるべく固定費は下げたい」ということで、
「できればクルマなしで暮らせるところ」が第一希望でした。
では、車なしでも暮らせる中心街とはどこか?
ズバリ県庁所在地です。
ただ、その中心街に入る範囲がどれくらい広いか、は
人口の多さ
主要な商業施設の位置
公共交通機関(電車、バス)の本数
などに左右されます。
例えば、福岡の場合は地下鉄とバスの交通網が張り巡らされていて、
運行間隔も狭いし、終電も遅くまであるので、
博多駅から多少(2~3駅くらい)離れるくらい、なんともありません。
むしろ、離れたら離れたで、今度は天神駅など別の栄えている地域に差し掛かるので、
またさらに中心街エリアが広くなり、住めるエリアの選択肢に幅があります。
当然賃貸物件の選択肢も多くあります。
一方、山梨県はというと。
甲府駅一択です。
甲府駅周辺であれば、徒歩と自転車でスーパーや飲食店街にアクセスができます。
が、1駅離れたらもう全く別の生活圏になり、車が必須になります。
というか、そもそも駅がないのです…
すごくざっくりと、甲府盆地の電車を説明すると、
盆地の地域は逆三角形、
上辺を東西に走るのがJR中央本線、
真ん中からやや右側を南北に走るのが身延線
以上です。
シンプル!
圧倒的に車でしか移動ができないエリアが多いのです。
甲府駅がある甲府市が一番物件数が多いですが、
その中でも「甲府駅周辺で車なしで生活できる」に絞るとガクンと減ります。
私の場合、後述するペット可物件の制約もあり、かなり選択肢が少なかったので、
多めに見積もって「甲府駅に徒歩30分圏内」で探しました。
山梨の物件探しでわかったこと(3) 駅近と賃料が比例しない
貴重な数の物件数、どこに需要が高く、賃料が値上がるかというと、
それは決して駅近物件ではないのです。
そもそも人が住んでいるエリアに駅が少なく、電車の本数も少なく、使っている人が少ない。
県民の生活に重要な施設(イオンモールとか)が駅からの徒歩圏内にないので、
駅近物件であることの価値があまりないのです。
一番大きな甲府駅も北口方面は山に近く、斜面があったり、あまり栄えていないため、
物件は山梨大学周辺に学生用の物件が集中している他は、そこまで多くありません。
甲府駅の南側には甲府城跡地の舞鶴城公園がドーンとあり、
駅から南へと栄えているのですが、貴重な徒歩圏内の中心には、
県の大きな施設(山梨県庁、甲府市役所、警察署、裁判所、コミュニティセンター)がダダダと集中。
その周辺が市街地なのですが、高層マンションなどはポツポツとしか見当たらず、
やっぱり徒歩圏内の物件は限られてくるわけです。
じゃあ甲府駅の近くだと家賃が高いかというと、そうでもない。
もっとずっと南の方の家賃帯と別に大きく変わらないのです。
結局何と比例するのか…よくわかりませんでした笑
ちなみに高級物件もあまりありませんでした。
試しに「甲府市>15万円以上」で絞ったら、ヒットしたのはたった2件。
甲府駅近の4LDK 95平米の築15年で16.5万円です。
1Kの25平米の築2年で13万円の東京23区駅近に住んでいる身からすると、
家賃基準の価値観は一旦リセットしないと頭が追いつきませんでした。
山梨の物件探しでわかったこと(4) ペット可物件が圧倒的に少ない
物件数がそもそも少ないのに、さらにペット可物件は極少数です。
「甲府市」の賃貸物件は2627件あったとして、
「甲府市>ペット可」で絞っただけで、272件…約10分の1です。
そこから「ペット可だけど猫はNG」という物件もあるので、
一軒一軒確認が必要で、結構数が絞られます。
最初に私が希望していた「甲府駅徒歩10分圏内、2LDK、眺望よし」
なんて夢の物件には巡り会えず、
最終的には「甲府駅徒歩30分県内、1K以上、2階以上」で
やっとこさ1件です。
清々しいほどに迷う余地がなくて逆に良かったですけどね笑
山梨の物件探しでわかったこと(5) 基本的にプロパンガス
これも結構びっくりでしたが、山梨って都市ガスが通っていない地域がほとんどなんです。
なので建物ごとにLPガスのタンクが設置されていて、そこからガスが使える仕組み。
交換・メンテナンスの人件費や競争が起きにくいこともあり、高額なんだとか。
(1ヶ月1万円くらいとの噂)
甲府でもたまーに「都市ガス物件!」というのもあったんですが、
圧倒的にレア。
私も初のプロパンガス物件に住むことになったので、1ヶ月どれくらいかかるものなのか、
ドキドキしています。
まとめ
今回は「都内在住者が山梨で物件を探してみてわかったこと5つ」というテーマで書いてみました。
- 賃貸物件数が圧倒的に少ない
- 基本クルマ社会(車なしなら甲府駅一択)
- 駅近と賃料が比例しない
- ペット可物件が圧倒的に少ない
- 基本的にプロパンガス
ペットがいない、車生活前提でOK、時間をかけてじっくり探せる
といった方の場合はまた全然事情が違って、もう少し探しやすいのでは、と思います。
ただ、不動産屋さんも「都内から移住希望の人は多くなったけど、前提や考え方が全然違うので、
そこのすり合わせが結構大変(「こんなはずじゃなかった」トラブルになりやすい)」と言っていました。
ギャップは楽しむくらいの心持ちでいれば楽しい物件探しができると思います。
移住先探しの参考になれば嬉しいです!