分野は違えど、なんらかの考えや主張を発信している方達の意見を読んでいると、共通して出てくるキーワードにこれがありました。
「日本社会は寛容度が低い」
昨日書いた、
「人と人との距離感が近過ぎる」というのも、
結局寛容でいられないから
他人の価値観や生き方に首を突っ込んでくる人が多い、
という意味で根っこは同じです。
「人からどう思われるかが気になって、自分の判断に自信が持てない」
「こんな本音を表に出したら、ひどく冷淡な人間に見られそうで怖くて言えない」
そんな風に感じて一歩踏み出せないことってありますよね。
これも社会や周囲の環境が寛容ではない、
多様性を認められていないゆえの不安ではないでしょうか。
私自身も同じように思っていましたし、
今でも完全に振っ切れたわけではないので、
偉そうなことは言えませんが、
今日、たまたま読んだイケハヤさんの著書で
なんとなく考えていたことが言語化された部分があったので、ご紹介させてください。
「炎上」経験者から見える日本社会の寛容度の低さ
イケダハヤトさんの『なぜ僕は「炎上」を恐れないのか』(光文社新書)は、
2014年に書かれた本ですが、全く古さは感じませんでした。
イケハヤさんは、10年前から常に新しい価値観や
まだ世の中が気づいていない切り口の考え方を
提示し続けているプロブロガーの方です。
(2021年現在は仮想通貨投資家に転身)
いかにもメンタルが強そうなタイトルからは想像できなかった、
深い優しさに溢れる冒頭の一文にすっかり引き込まれて
一気に読了してしまいました。
「ぼくが発言して炎上すればするほど、みなさんは発言しやすくなると思うんです。」
「第二章 炎上するのは悪いことですか?」で
過去に失言で炎上後に亡くなった岩手県議事件を取り上げ、問題提起。
『なぜ僕は「炎上」を恐れないのか』イケダハヤト
(発言や行動に落ち度があったにしても)ネット上で膨大な数の人々に「死ねばいいのに」といわれ、マスメディアを通して全国にさらされる大事件として扱われるほどの問題でしょうか。ましてや、自殺するほど追い込まれるような問題でしょうか。
と問題提起。
誰かの「落ち度」に対して人々の寛容度が低い。
当該事件に全く無関係な人々が
勝手に怒って容赦無く攻撃を加えて炎上させる。
冷蔵庫に入って写真をアップするような
バカなことをする人を見つけて
騒ぎ立てて苛烈にバッシングして炎上させる。
もっと「スルーする力」が必要だと説いています。
他人に寛容な社会とは、自分が何かの間違いで多少の失敗を犯しても、どん底にまで叩き落とされない社会のことです。
『なぜ僕は「炎上」を恐れないのか』イケダハヤト
(中略)
他人の失敗に不寛容な社会は、多くの人に、無駄に「恐れ」を抱くことを強要する社会です。その社会の未来には停滞こそあれ、「自由な発想」「挑戦」「革新」は訪れないでしょう。
(中略)
ぼくらが目指すべきは、「多様性を認める、寛容な社会」を作り上げることです。金子みすゞさんの詩にあるように「みんなちがって、みんないい」という価値観が本当に浸透するような社会です。今の日本は表では「みんなちがって、みんないい」と言いながら、裏では覆面をかぶって「ちがった人間」をボコボコに叩きのめす文化がはびこっているのです」
すごく同意です。
私を含めて多くの人は、
炎上に巻き込まれたことも加担したこともないとは思いますが、
私もこうして発信している以上、いつ標的になるかわからないと思うと…
ゾッとします。
離婚後に感じた不寛容さ
私自身は炎上ほどではないですが、
よく知らない人から対面で批判されたことがあります。
以前、行きつけのカジュアルな立ち飲み屋
(よく隣の人と話したりする)で顔見知りになった
40代後半と50代の独身の男性陣から
なぜか容赦ないお説教をされたことがあります。
「彼氏とか旦那さんが「働いてもいいよ」って言ってくれるなら働けるよね」
「(恋愛から遠ざかっていることに対して)え、もう枯れてるじゃん。干物女だ。」
「早く結婚したほうがいいよ。歳とると男より女の独り身の方が惨めだから」
「(離婚歴がある私と比較して)俺は戸籍はきれいだから」
「そんな態度だから結婚できないんだよ。かわいく受け流しておけばいいのに」
えーと、何様なんでしょうね…w
(大人の対応で乗り切りましたがw)
「女は大人しくて若い価値が高いうちに
男に気に入られて家庭に入るべし。離婚は汚点」みたいな
昭和のコテコテなステレオタイプな考え方を
「俺は君のためを思って言ってあげている」
風に説くおじさん達の時代錯誤さに震えました。
そして最近遠ざかっていたから忘れていたけど、
まだまだこういう古い価値観の人は
根強く存在していることを思い出させられました。
今の私は色々乗り越えて自分の価値観を築いてこれたから、
こういう発言にも傷つかずにいられますが、
昔の自分や、どうしても人の目を気にしてしまう人は
この殺傷力にやられてしまいそうで気の毒です。
解決鍵はスルー力
じゃあ、どうすればいいのか。
全力でスルーです!!笑
「人間って不完全だし間違える生き物だよね」がわからない人は、
正義感に駆られて正しさを教えると見せかけた
バッシングをしてきます。
「みんなちがって、みんないい」が
本当の意味で理解できていない人たちは、
良かれと思ってアドバイスという名の
「常識にはまらせる呪い」をかけてきます。
(悪気がないのが困りもの)
でもね、気にしなくていいんです。
だって関係ない人たちですもの。
人の意見に流されそう&惑わされそうになった時は、
鴻上尚史さんの『孤独のレッスン』で教わったことを思い出します。
顔の見えない「世間」とか「みんな」の言う通りに従って、本当に幸せな人生を送れますか? 言われた通りにしたのに不幸になったら誰か責任取ってくれますか?
相手が実の両親や血の繋がった親族であっても、結局は同じです。
人生の最後に振り返った時に後悔しない生き方をしたいなら、
世間の常識や他人の価値観からは堂々と逃げていいです。
周囲や大多数の考え方に同調するのが辛いなら、
さっさと距離を置きましょう。
無理して心を病んでしまうより100倍マシです。
自分の人生に責任を持てるのは自分だけ。
自分を幸せにできるのも、自分だけ。
(他人に危害を及ぼさない範囲では)
自分を大切にわがままに生きていきましょう。
自分なりの心地よい「ナチュラルディスタンス」をキープです!
なんだか自分自身に言い聞かせているようなメッセージになってしまいましたが、
少しでも参考になる部分があれば嬉しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
参考書籍
なぜ僕は「炎上」を恐れないのか
年500万円稼ぐプロブロガ-の仕事術 /光文社/
イケダハヤト
孤独と不安のレッスン (だいわ文庫) [ 鴻上尚史 ]